ルッキズムというテーマでブログ連載(創作)スタートします。
初回タイトルは「サークルは可愛い子優先で」です。
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(私・大学生)
今日は大学で入学式があった。
入学式の後は毎年恒例のサークル勧誘。今年も賑やかだったよ。
(姉・会社員)
サークル勧誘、懐かしいな。あの時だけは、人気者になれるのよね。
大量にビラをもらって帰りの荷物がすごく重くなったのも、今では良い思い出。
(私・大学生)
へぇ。お姉ちゃんにとってはそういう思い出なんだ。私にとって1年前のサークル勧誘は、すごく不快な思い出のひとつだけど。
何があったか、話したよね。覚えてる?
勧誘してくる先輩が、私と一緒に行動していた美人なAちゃんにばかり話しかけた、というやつ。露骨だったよ。私はAちゃんの隣にいる「おまけの人」扱い。
あの時は先輩を心の中で軽蔑したなぁ。
(姉の恋人・大学院生)
以前、新聞にも似たような内容の投稿が載っていた。娘さんが女子大の薬学部に進学したという主婦の方の投稿。
その主婦の方は、娘さんの入学式に出席した。駅から大学までの歩道で大学生がサークル勧誘のビラを配っていたけど、娘さんは誰からもビラをもらえなかったという内容だった。
ビラ配りをしていた学生の多くは、近くの国立大の男子だったとも書かれていた。
(私・大学生)
その投稿、私も見た。娘さん曰く、「誰もくれなかった。(可愛い子だけ)見極めているからと男の子たちが言ってた」と。
ネットでも話題になって、中には「男性からアプローチされることが良いことだという価値観が悪いのではないか」という意見の人もいたね。私はそれを知ってさらに嫌な気持ちになった。
(姉の恋人・大学院生)
そのネットの意見は見当違いだと思うよ。そもそも「ビラ配り=男性からのアプローチ」ではない。
共通の目的のために集まって活動するのがサークルなのに、容姿差別がある。その容姿差別自体が問題なんだ。
(友人)
ねぇ、真面目に話してるところ悪いけどさ、俺いいアイディア思いついた!
ビラ配りしていた人は、「可愛い子サークル」をつくって、「可愛い子だけ来てください」と宣言すればいいと思う。
可愛い子にしかビラを渡さないのなら、それが正解じゃない?
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ルッキズムというテーマで書きたいと思い、新しい試みとしてキャラクターを登場させてみました。会話形式にして、わかりやすくしてみたつもりなのですが、いかがでしょうか。
ルッキズムをテーマにしたのは、主に以下3点の理由からです。
1:社会問題として関心があるから
2:実際に自分が嫌な思いをしてきた/しているから
3:自分の中にもルッキズムが根付いてしまっていると思うから
1回目はサークル勧誘でのルッキズムを扱いましたが、今後もルッキズムシリーズとして様々な場面を取り上げる予定です。
なお、キャラクター作成に際しては、似顔絵メーカーCHARATを使用させていただきました。
絵が下手なので、こういう便利なサービスは本当にありがたいです。
ではまた!
きゅうり(矢野友理)